NN PROJECT

一瞬で判断する力

一瞬で判断する力

2018

「宇宙」とは中国語で「時間」と「空間」という意味ですが、
そんな「宇宙」を職場としている宇宙飛行士、若田光一さん著書“一瞬で判断する力” 今回の推薦書です。

「宇宙飛行士は特殊な職業だと思われるかもしれない。しかし、直面する問題はどこの会社や組織でも起こることだ。私はさまざまな問題を、現場と管理部門の間で板挟みにあいながら、会社で言えば「課長」のような役割でまとめてきた。」と話す、若田さんのプロフィールを簡単に。
若田光一、1963年埼玉県生まれ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士。初の搭乗ミッションは1996年(33歳)、これまでに4度の宇宙飛行を行う。2013年末(50歳)から2014年には、国際宇宙ステーション(ISS)に第38次/第39次の二期にわたって長期滞在。日本人として初めてコマンダーを務める。宇宙滞在日数は合計で347日。
宇宙ステーションは、世界15ヶ国が共同で建設、運用され世界各国の人々がともに生活する国境のない世界。
その中での公用語は英語と国際的に決められているそうです。そんな多国籍なチームをまとめるために、若田さんが心がけてきたこと、磨いてきたスキルがこの本にはまとめられています。その多くが読者の日常の仕事や生活に役立つものになっています。

その中で“優秀な宇宙飛行士は「改善の軌道修正」を怠らない”とあり、若田さんはこう語っている。
「気がつけば、私は多くの後輩を抱えるベテランと言われる世代になったが、ベテランになればなるほど、自分の経験には自信があるし執着もある。新人の頃よりも自分が判断して決めたことこそが正しいと感じてしまう傾向はどうしても強くなる。しかし私の周囲を見る限り、やはり優秀だと思う宇宙飛行士の特徴は、失敗しないことではなく、改善のための軌道修正を常に怠らない姿勢を持つ点だ。それがあるからこそ、周囲から信頼されて位いるように感じる」たしかに、自分のことを思うと、チャレンジすることよりも失敗しないようにという、安全な道を求めてしまう傾向があるんですが、それだと日々が面白くなくなるし、どんどん世界が狭く小さくなっていってしまう。
そして本書はこう続く。
「軌道修正するということは、失敗の教訓を生かすことで、新人であろうとベテランであろうと、常に新たなミッションには新たな課題が生まれ、その教訓では失敗も多い。そんなとき、新人よりベテランに何か強みがあるとすれば、単に経験の豊富さというよりも、失敗の恐ろしさと同時に教訓を生かすことの大切さを身を持って知っていることだろう。」「完璧な人間など、どこにもいない。私もたくさんの失敗をしてきたが、これからも常に前に進み、新たな挑戦を続けていきたいと思っている。新たな挑戦には、失敗はつきものだ。でも、柔軟な軌道修正を怠らないことで、成功する確率を高め、失敗を少なくすることはできる。」テレビに映る若田さんを見ていると順風満帆に宇宙飛行士になったように思えていたが、実は努力の人であった。そんな若田さんが目指したのは、なくてはならない不可欠なものだけれど、ふだん仕事をしているときにはその存在を強く感じなさせない、「空気」のような存在のリーダーだと言う。

1969年アポロ11号が初めて人類を月面に送り込んでから、およそ50年。
スマホが生まれてから10年でこれだけライフスタイルが変わったに比べると宇宙開発はなかなか進んでいないように思う。それはいつの間にか現代人の関心事が内向きになってしまったからかもしれない。地上にいれば生命維持装置がなくても普通に呼吸し、生活することができるのに、なぜ人類はわざわざ宇宙をめざすのか?それは海から陸に上がった原始生物のように、人間も今地上から宇宙へとその活動舞台を広げようとしています。海外経験があるのとないのとでは、ものの考え方や価値観が異なるように、これからは無重力を知っている人と知らない人というものの見方の違いが出てくる日もそう遠くはなさそうです。

#120 Tokyo Central Omotesando,
4-3-15, Jingumae, Sibuya-ku, Tokyo
150-0001
Tel : 03-6416-9412
Mail : info@high-spirit.net