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農業のマーケティング教科書

農業のマーケティング教科書

2017

恥ずかしながら僕はマーケティングとは何か、全く分かっていません。
本業の映像制作で、それが分からなくても何とかやってこられたのが理由でした。
しかし最近いろいろと思う事があってマーケティングをちゃんと理解しようと思いみつけたのが
今回の推薦書「農業のマーケティング教科書」です。

“日本は、高品質の農産物とおいしい食があふれるすばらしい国だ。豊富な山の幸、海の幸が存在し、農業の技術レベルも高い。全国各地で生産者に聞いてみると、多くの人がこう答える。
「味では負けない」「品質には自信がある」「技術では負けない」
しかし、その後に決まって続くのは、次のような言葉だ。
「だけど、売れない」「だけど、儲からない」「だけど、うまくいかない」”
これは農業に限ったことではなく、服や家具、映像や音楽、そして建築業、サービス業
すべての業種で言えるのではないでしょうか?
“消費者は「食べるモノ」ではなく「食べるコト」を買う”と語られこんな質問が続きます。

○トマトの購入に1回あたり○○円まで払うことができる。
○茶葉の購入に1回あたり〇〇円まで払うことができる。

あなたならいくらと答えますか?
実際に全国2000人の消費者に金額を入れてもらった結果は、「トマト」329円「茶葉」848円だったそうです。
次のこんな質問が続きます。

○おいしさの感動に〇〇円まで払うことができる。
○リラックスしたひと時に〇〇円まで払うことができる。

結果は、「おいしさの感動」5,292円「リラックスしたひと時」3,943円。
このように消費者は農産物そのものではなく、その商品が自分にとって、どのような価値があるのかという部分が重要で全国各地で行われている「地産地消を売り込もう」というキャンペーンはうまくいかないのは当然です。
自分に置き換えても「売ろう、売ろう」とされると財布の紐が緩まないのと同じで、モノを売る極意は“北風と太陽”。
マーケティングとは何かを一言で言えば「顧客を創造する活動」で、農業のマーケティングは“「農」と「食」をつなぎ、顧客を生み出す活動”とあります。そのポイントは「モノ」を売るのではなく、農産物が生み出す「価値」を売る。
これは前回ご紹介した “デザインの次に来るもの”にあった“意味のイノベーション”にも通じていて、
消費者は、トマトという「農産物」を買うのではなく、おいしさ、健康、おしゃれな食卓といった「価値」を買っている。
茶葉という「農産物」を買うのではなく、ごちそう、元気、栄養価といった「価値」を買っている。
消費者は「モノ」を買っているのではなく、「価値」を買う。これがマーケティングの発想だと綴られています。
母の日も「お母さんへ感謝の気持ちを贈りましょう」ではなく「カーネーションを買いましょう」だったらこんなに広まらなかったかもしれない。
マーケティング志向の人々は、消費者が「“なぜ”買うのか」を考えるとあり、生産志向「何を、作るか」販売志向「何を、売るか」との違いや、どうやって強いブランドをつくるかなど、マーケティングの分からなかった僕にも分かりやすい文章でとても親切な良書。
大企業では当たり前のマーケティングという考え方ですが、
小さく愚直にモノつくりをしてきた方で、どうもうまくいかないなと思ってたなら、ぜひ本書をオススメします。

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