NN PROJECT

安藤忠雄 仕事をつくるー私の履歴書

安藤忠雄 仕事をつくるー私の履歴書

Life work

2017

ガラッパチのワルいが情に熱い、関西のおっちゃん。それがボクの建築家、安藤忠雄さんイメージでした。
今回の推薦書はそんな安藤さんの、“安藤忠雄 仕事をつくる 私の履歴書”。
仕事をしながら建築を学んできた。私の歩んできた道は、模範というには程遠い。が、
この一風変わった歩みが、若い人を少しでも勇気づける材料になれば幸いだ。
〜帯文より〜

帯文にもあるように、この本は安藤さんの半生を通して学んだことをいろいろと学ばせてくれる。
「独学でつかんだ天職」という章で私の仕事をみて、「好きな事をやってお金をもらえるからいいですね」と言われるが、実際には、一に調整、二にも三にも調整という地味で過酷な仕事である。とあった。
以前、直島にある地中美術館を訪れた時そのスケールとディテールに感動させられた。建物を見て感動するってよく考えるとスゴイと思う。そこには安藤さんの意匠を形にした職人さんたちとのせめぎ合いがあり、何より“予算”という壁がある。「最初にぶつかるのが予算である。」と安藤さんほど方でも“予算の壁”は大きく立ちはだかる様で、どんなに挑戦してみたいアイディアがあったとしても、予算の範囲を超えてしまえば依頼者は納得してくれない。
困ったことに、大きな夢をもった依頼主ほど、たいていは予算が少ないと本書にあり、それを知って余計に地中美術館が存在している事にMuch Respect!(ジェームス・タレルの南寺も一見の価値あり)
「予算の壁を絆で超える」という章では代表作品の1つ“光の教会”の建設を通して感動的なエピソードが綴られているがそれは本を読む楽しみとしてここでは触れませんが、この案件も工事費を見積もると、やはり予算isオーバー。当初は木造で検討を進めていたが、信者たちからは、堅牢性を求めて、コンクリートでつくることを求める声が多く、安藤さんは単純な箱を考え抜いて、プロテスタントの教会らしく質素で禁欲的、シンプルな空間をつくろうと決めたそうです。そして、暗闇を十字の光が照らす“光の教会”のアイディアを思いたとありました。
安藤さんの中では、この光の十字架はガラスを入れない方が、風や光も入り、祈りを捧げる人々の心を一つにできるのではないかと提案したが、猛反対を受け結局ガラスを入れられたとあり、本書の中で「いつの日か、このガラスをはずしてやろうとねらっている」と書き残している(2012年作品)がそれが5年の月日を超えて東京にある新国立美術館で行われている“安藤忠雄展—挑戦—”にて実現されている。なんと、大阪にある光の教会を1分の1の原寸大で野外展示場に再現され、ボクはまだ行けていないのですが、行ってきた友人曰く、最高だったと。
ここでも予算の話になってしまうが、実物と同じくらいの予算がかかったそうで、そのこだわりというか、頑固さというかわがままを形にしてしまう安藤さんのマネできない突破力。
学歴も社会的基盤もなかった、仕事は自分でつくらなければならなかった安藤さんの人生訓は縮む現代人すべての道しるべになると思います。芸術の秋に美術館めぐりも兼ねてぜひ一読を!

現代のどん底の日本社会再生のカギは、子供たちの野生をいかにして取り戻せるかにかかっているだろう。
必要なのは、甘えた「ゆとり」などというものではない。不安と隣り合わせの、本当の意味での自由な時間と場所を与えることだ。私の事務所では入ったばかりの若いスタッフでも、海外出張に行かせて「一人で全部やってみろ」と突き放す。緊張感に包まれた中での外国での様々な体験が、社会を生きて行く上で大きな糧となり、その人間をつよくするからだ。<本文より>

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